時の変遷過程の原則11-復刻版「手にとるようにわかる面白い易経」※【亞】の玉手箱時代の復刻版です。 ★“易占い”の解説ではありません★ 【中国古典・易経】 11.時の変遷(へんせん)過程の原則 いよいよ易経の本文に入るのですが 入門レベルの分かりやすい構成で書きます。 易経には六十四種類の卦(か)があり 一つの卦が ある時のテーマと変遷過程を六段階で示しています。 起承転結で語られた、一つの物語と考えてください。 日記では、六十四種類の卦の中で 最も原則的な時の変遷をたどる 「乾為天」(けんいてん)という卦を主軸にします。 「乾為天」は龍伝説にたとえて記されています。 地に潜んでいた龍が力をつけ 飛龍になって勢いよく昇り そして降り龍になるという龍の成長になぞらえて 人の人生、会社組織、技術論など あらゆるものごとに通じる 時の変遷過程の原則を示しています。 この龍の成長過程を追いながら 陰陽論に基づく 「時の論理」と「社会倫理」を理解し 『時を読む洞察力』を身につけるヒントを つかんでいこうと思っています。 「乾為天」の六段階の、時で区切り 時の段階過程の理解を補足するために その他、数十の卦を取り上げていきます。 先ずは 全体の大きな流れとして 乾為天の時の変遷の概略を知りましょう。 第1.「潜龍(せんりゅう)」~変化の始まり 地に潜み隠れたる龍。 確乎とした高い志を描き 実現のための力を蓄える、という段階。 洞察力を養うための準備として 時の根本的な流れに目を向け これからを想像することに始まる。 志を失わないための対処法。 第2.「見龍(けんりゅう)」~目が開かれる時 人を見て学ぶ龍。 人に見出され学ぶ龍でもある。 師となる人物を見つけ、基本を修養する段階。 時の流れの基本とは何か。 洞察の基を身につけていく習得方法。 現実を見つめる目を養い、向き合うための対処法。 第3.「君子終日乾乾(くんししゅうじつけんけん)す」 ~道を反復する 意志をもって努力する龍。 自分の頭で考えて創意工夫し、技を生み出す段階。 時を省みることで ものごとの前兆である兆しのあらわれを知る。 時の方向を察する力の付け方。 マンネリや緩みへの対処法。 第4.「躍龍(やくりゅう)」~自ら試みる時 タイミングを計る龍。 独自の世界を創る手前の段階。 兆しを見極め 時を判断して行動するためのスタンスの取り方。 客観的にものごとを捉える目を生かす方法。 第5.「飛龍(ひりゅう)」~変化を起こす 大空を飛翔する龍。 一つの志を達成し、隆盛を極めた段階。 洞察力を自在に使い、時と兆しを察する力を保つ。 リーダーとして軌道をはずさないための対処法。 第6.「亢龍(こうりゅう)」~平らかなものは必ず傾く 傲(おご)り高ぶりのために降り龍となる。 一つの達成に行き着き 窮まって衰退していく段階。 洞察力が衰え、時と兆しを 見極められなくなる傾向とその対処法。 特別編.「群龍(ぐんりゅう)」~首なきを見る 陰陽の用い方。 易経が説く、時を用いていくための 教えのまとめ。 以上の構成で日記を書き進めて行きたいと思います。 できれば、易経の本を手に入れ 日記とともに読まれれば なおさら、ストンと腹に落ちるでしょう。 続く ~編集後記~ 易経は中国最古の書で、四書五経のトップであり、 帝王学の書とされています。 時の専門書であり、自分のおかれている立場など、 出処進退に関する行動の指針となるべき法則やルールが シンプルに著されています。 易経には、幾(き)という言葉が頻繁に出てきます。 幾とは物事が起こる時の兆(きざ)しです。 よろしければ応援の↓クリック↓を~(^^) |